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2018/06/30

雨のち晴れ

 広島県内の宅建業者(不動産取引業者)がおよそ5000業者として、この協会に加入している業者がざっと3000あまり、宅建業者には定期的な法定研修が義務られていますが、今月 梅雨の真っただ中の傘が手放せない雨の日に広島市内で行われた研修会はその内約100業者のみが受講するコアな研修会です。この100業者は不動産相談員や指導員です。分かり易く言えば、この業界で長く飯を食っている100業者です。
 なぜ私が「この業界で長く」になるかは、この業界の慣例で私の親の経歴がプラスされるからです。
 
  第16代アメリカ合衆国大統領リンカーンが「40歳までは親からもらった顔、40歳からは自分の顔」と言ったように、100業者の中には、バブル期に多かった蛇マムシ顔で面(つら)の皮の厚いタイプ、三つ揃えのスーツ姿の町金融タイプ、何かうまいもがおちていないかキョロキョロしているイタチタイプ、さらにはその三者を持ち合わせた強烈なタイプなどなど、 私はその様な方たちには極力染まらないようにしています。
 講師の先生は、新幹線の事故のため急遽 東京羽田から空路でこられました。オフレコ三昧のしゃべりに数時間の講演が何か寄席の漫談のようで、日本全国の海千山千の不動産屋の扱いになれていらっしゃるようで、鞭(ムチ)一本で野獣をあつかう猛獣使いのように見えてくるのです。
 講演内容は、たいへん味わい深く、実際に起った係争事例を上げ円満解決方法をマイク片手に軽やかに話していくのです。
 その「円満解決方法」が法令を順守しながらも、まるで南町奉行の大岡裁きなのです。
 例えば2500万円の建売住宅を契約して手付金100万円を支払ったお客さんが銀行ローンの審査がNGで解約期日が過ぎている場合 法令では100万円はもどってきませんが、売主・買主半分ずつの50万円で丸く納めたとか、賃貸住宅の原状回復で退去した元入居者が〇〇〇で〇〇〇のトラブルでは、入居者に「◯◯◯は◯◯◯で◯◯◯だから」(◯はオフレコ)で解決するとか・・・・
これには、宅建業者としての知恵と経験が必要ですが、これって、うちの得意分野じゃないかと思ってしまうのです。
 講師の先生が日本全国を回って伝えたいことは、けっして法律と書面、捺印を盾に相手をねじ伏せることは避けて欲しという不動産業者への願いなのでしょう。
 講演が終了して、不動産会館を出た時 たたんだ傘を開く必要はありませんでした。